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愛知建築さんぽ~明治村・帝国ホテル~

明治村に移築保存されている旧・帝国ホテル中央玄関。設計は、もちろん、フランク・ロイド・ライト(1867-1959)。建築されたのは、大正12年(1923年)、解体されたのは、昭和43年(1968年)。

ん?明治村なのに、大正の建物?!

取り壊しが決定した当時、名建築の保存を求める声が国内にとどまらず、アメリカでも叫ばれたそうです。日米首脳会談で、米国側から保存要請を受け、佐藤栄作首相は、YESと回答。しかし、風化した大谷石など、保存や移築は簡単なことではありません。適切な移設場所もありません。大正の建物ではありますが、政府は、頼み込むように、明治村への移築を依頼したそうです。

結果、中央玄関部分のみ、1976年に移築され、「様式保存」というカタチで、1985年より展示公開されています。復元には、相当なご苦労があったと思われますが、明治村さんに、心から感謝いたします。

平等院鳳凰堂に影響を受けたとされる外観もさることながら、一歩、中に足を踏み入れたメインロビーにも圧倒されます。

テラコッタと大谷石の装飾の美しさは、見事というしかありません。

ライトのデザインへの執着と、それに応える職人達のエネルギーを感じ取れます。現代では、なかなか、このような建築を造ることは難しくなってきただけに、貴重な空間です。

ちなみに、ライトが要求するレンガやタイルを製作したのが、伊奈初之烝・長太郎親子。のちに、INAXを創設する人物です。

ロビーから入口を振り返ると、2階の喫茶室が見えます。実際に、カフェとして営業しており、帝国ホテルの喫茶室の雰囲気を体験することができるので、おすすめです。

本物とレプリカの名作椅子が、何気なく置いてあったりします。

何時間でもいられる贅沢な空間。

ぜひ、明治村へ足を運んでみてください。

明治村へのアクセス


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