<名古屋建築探訪「喫茶クロカワ」>
名古屋・鶴舞エリアにひっそり佇む「喫茶クロカワ」。ここは、建築家アントニン・レーモンド設計の1960年代建築を店主のクロカワさんがDIYで復元し、自らのコーヒーへの想いとともに再生させた特別な場所です。
クロカワさんは、図面もレーモンド事務所から取り寄せ、約一年かけて解体とセルフリノベーション。天井の古い板を剥がし、むき出しになった赤茶の鉄骨梁をそのままに。壁材や棚には建材の廃材や学校備品が再利用されています。

この物件は、当初は「古い倉庫」として忘れ去られようとしていました。しかし、価値に気づいた黒川さんの情熱と行動によって、レーモンド設計の空間が再び表舞台に立つことに。しかも設計当時の姿を可能な限り取り戻しながら、現代のコーヒー文化と調和させるという結果に至ったのです。
「価値ある建築は、価値ある人によって見い出される」──そんな実例として、喫茶クロカワはとても幸せな成功例と言えるでしょう。