新しい生活様式~職住近接というカタチ~
アトリエ橙(だいだい)も、在宅勤務の併用が続いています。在宅勤務は、通勤がない分、楽ですね。それ以外にも、在宅勤務の利点は、家族とのコミュニケーションが増えることと、家事と仕事の両立がしやすいということにあるような気がしています。新しい生活様式として、職住近接というカタチは、今後、着実に普及していくのだと思います。
職住近接のストレス
一方で、かつて、自分が自宅兼事務所で仕事をしていた時のストレスを思い浮かべました。その頃は、経済的な理由で事務所を外に借りることが出来ず、自宅の中に事務所を構えていたのですが、私も家族も、なかなかのストレスを感じながらの生活でした。例えば、家族団らんのさなかに、仕事の電話が鳴り、急に仕事モードに引き戻されたり、電話中や来客中は家族が息を潜めるように別室で過ごしたり。家族にも負担を掛けたものでした。
やはり、間取りが重要
今、家族それぞれが、在宅勤務をしたり、オンライン授業を受けたりすることが、ストレスなく出来ている理由は、やはり、当時とは大きく異なる「家の間取り」にあると思います。
もちろん、新型コロナを想定して考えていた間取りではありませんが、個人の時間と独立した空間を確保した「シェアハウス型の暮らし」をコンセプトとした間取りは、我が家にとって大正解でした。
△3.75畳の半分を小上がりにしてベッドスペース、残りの半分に机を造り付けてワークスペース。4畳半ではなく、3.75畳にすることで、家族全員分の個室を確保。
△共働き夫婦にとっては、それぞれに在宅ワークのスペースが欲しいところ。つかず離れずの距離感。お互い、音や光を気にせず、過ごせます。
仕事中、授業中は、各部屋の扉に付箋で貼り紙をして不用意な入室を避けプライバシーを守り、テレビや映画を観たい人はリビングでくつろぎ、食事当番の人はキッチンで準備をする。手の空いた人が洗濯物を干したり、風呂掃除をする。在宅勤務であれば、ちょっとした隙間時間でも、そのような家事を片付けることが出来ます。
△1階はプライバシー空間(個室と収納とトイレ)、2階はコミュニケーション空間(リビングダイニング)と家事空間(キッチン、洗面、浴室)。明確に分けることで、お互いが気兼ねなく、仕事をしたり、くつろいだり、家事をしたり。
家族だからこそ、プライベートも大事
これまでの家づくりは、コミュニケーションばかりが重要視されてきたようなところがありますが、実は家族だからこそ、プライベートも重要ということが、今回の在宅勤務、職住近接によって、みんな気が付き始めたような気がします。
シェアハウス型の新しい暮らし、始めてみませんか?
構造規模:新築木造2階建て
延床面積:23坪+ロフト2.5坪
設計監理:一級建築士事務所アトリエ橙(だいだい)