「ニッチ」とは「隙間」という意味ですが、住宅用語としては、壁をくぼませて作り出した飾り棚のようなスペースのことを指します。西洋建築で、古くから用いられてきた建築技法ですが、現代の住宅においても、空間のアクセントとして、とても有効な手法ですので、新築やリフォームの際には、検討されてみてはいかがでしょうか?
ここでは、効果的なニッチの作り方について解説いたします。
- 動線、視線の突き当たりに設ける
- コーナーに設ける
- ニッチ奥の壁仕上げを変える
- 間接照明で演出する
- 周辺の壁を照らさない
①動線、視線の突き当たりに設ける
玄関に入って正面の壁や、廊下の突き当りの壁など、動線と視線の突き当りとなる場所にニッチを設けると効果的です。人間の心理として、前方の壁が明るいと、安心感を得られます。
②コーナーに設ける
廊下の曲がり角などに設けると、2方向から楽しめる飾り棚となります。
③ニッチ奥の壁仕上げを変える
ニッチ奥の壁をアクセントウォールとすると、効果が倍増です。写真は、大谷石。
④間接照明で演出する
ニッチといえば、間接照明。間接照明器具やダウンライトを上部に設置し、幕板を設けましょう。
⑤周辺の壁を照らさない(暗いところを残す)
間接照明を生かすには、ニッチ以外の周辺の壁をダウンライトなどで照らさないこと。暗いところをきちんと残し、明るさの明暗をつけることが大切です。
そのほか、注意点としては、外壁に面する壁には設けないこと。外壁周辺は、(充填断熱工法の場合)断熱材が充填されていますので、ニッチを設けると断熱材の欠損になります。また、筋交いが入っている構造壁には、ニッチが設けられる位置が限定されるので注意しましょう。ニッチは、あくまでも、断熱や構造を優先して計画することが大切です。