「関町の家」の素材の主役は、やはり左官仕上げ。
外壁は、モルタル下地ジョリパット仕上げ。本来、左官は硬いものですが、美しいコテ跡によって、柔らかい印象を作り出しています。この仕上げは、いつもの左官屋さんのオリジナルなので、他の左官屋さんにお願いすることは難しい仕上げかもしれません。
室内は、珪藻土。こちらは、アトリエ橙がいつも左官屋さんにお願いしている仕様。
調湿性を生かすために、木ゴテで荒らし、表面積を大きくしています。ただ、荒らしただけでは、居住空間としては主張し過ぎるので、表面を金ゴテで軽く抑えています。ヘッドカットと言います。微妙な凹凸感が生まれ、照明を当てると陰影が美しく浮かび上がります。
左官の仕上がりは、建て主さんにも大変、喜んで頂きました。
「人の手だからこそ、しかし人の手によりこれほどまでに絶妙な柔らかさを表現できるものなのか、と驚きと敬意の気持ちでいっぱいです。」