念願だった国立競技場。期待以上でもあったし、少し物足りなさも感じたりという印象でしたが、十分、満喫することができました。
国立競技場の建設は、国際コンペで選ばれたザハ案が撤回となり、短い工期、限られた予算の中で結果が求められるという難条件の中で進められました。設計も施工も想像を絶するほどの厳しさだったと思います。
木製ルーバーは、そのためのワン・デザインなのだと思いました。
大きな見せ場となる空間は作らない代わりに、木製ルーバーひとつのデザイン要素で全体を構成する。それは、見事に成功しているように思えました。物足りなさを感じたのも、それが要因と思われますが、与条件を考えると納得のできる回答方法だと思いました。
全国の都道府県から集められた杉材(沖縄は松材)、最上階だけ樹脂材。
鉄骨梁に取り付けられた木材。
植栽は蛇籠で。敷地外周も緑地が多く、周囲と馴染んでいました。
座席間の通路が狭くSNSでは評判が良くないようです。これも与条件の厳しさ?
ラグビーのインゴールが狭いのは相変わらず。陸上競技場なので仕方ない・・・。
ザハの建築を日本で見たかったという思いは残りますが、難しい与条件をクリアして、オリンピックの前年に間に合わせたのは、さすが隈さん、さすが日本のゼネコン。来年のオリンピックが楽しみです。