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先日、プレゼンを行なったばかりの「山手の家#GY508」ですが、
クライアントのご理解が得られたこともあって、
本日、早くも設計事務所にて工務店さん1社を特命で、ご紹介。
依頼する工務店先を検討する場合、1社に絞って特命でお願いするケースと
3社に競争見積を依頼するケースがあります。
一般的には、3社に競争見積を依頼して、
最も安い見積金額の工務店を選ぶことが
クライアントの利益につながると考えがちですが、
実は、必ずしもそうとは限りません。
建築に限らず、モノの実勢価格がわからない場合は、
3社競争見積というシステムは有効だと思います。
しかし、設計事務所が設計監理を行なう場合、
工務店から提出される見積書の数量や単価は、
おおよそチェックすることが可能です。
したがって、1社に絞ったからと言って、
高い見積書が出てくるということはありません。
また、仮に吹っかけてくるような工務店さんとは、最初から
付き合うこともないので、そもそも特命にすることはありません。
技術力、対応力に優れた工務店に早い段階で、
決定することができれば、クライアントの安心感も違います。
また、コストが大変、厳しい物件の場合、
3社競争見積の「競争原理」が働かないケースがあります。
つまり、「この予算では難しいからうちはあきらめよう。」
という心理が働いた場合、3社とも通常価格より高い見積金額を
提示するケースも時々、あります。
むしろ、コストが厳しい場合は、1社特命にした方が得策といえます。
「御社にお願いするので、できる限り予算に近づくようにお願いします。」
と依頼することができるからです。
工務店側も、確実に仕事になることがわかっているので、
何とか頑張って予算に近づけようと努力してくれます。
厳しい予算の物件を3社に叩き合いで安く契約を迫っても、
その反動は必ず、現場の質に跳ね返ってくるものです。
クライアントの利益どころか不利益に繋がってしまいます。
他にも1社特命のメリットはいろいろとあります。
例えば、
・早い段階から、クライアントと工務店の信頼関係を築くことが出来る。
(信頼の厚さは建物の質の向上にもつながります。)
・監督さん自身、あるいは職人さんがあらかじめスケジュールを組みやすい。
(無理のない着工スケジュールが組める。)
・設計段階から、工務店さんと設計者が協力体制を組むことができる。
(現況調査、コスト管理などの精度が上がる。)
・設計事務所と工務店が普段から付き合いがあるので、現場での意思疎通が容易。
(現場が精度よく進められる。何より、クライアントを含めて現場が楽しくなる!)
このように、1社特命には、クライアント、工務店、設計者の3者にとって、
メリットの多い方式だと考えています。
一方で、プロデュース会社経由の仕事の場合は、
3社競争見積もりが義務づけられている場合が多いようです。
これは、建築家が工務店と癒着しているケースがあるからだと思われます。
残念ながら、そういうケースも実際にあるようなので、
そのルールに従わざるを得ません。
困った状況です。
いずれにしても、クライアント、工務店、設計者の3者が、
出会いから竣工まで、信頼し合える関係で、
現場が進むと間違いなく、いい空間ができるものです。
「山手の家#GY508」もまた、いつものように、
そのような家創りを目指したいと考えています。