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本当に怖い「内部結露」の話

yusei20002006-09-05

建築・リフォームblogランキング

「結露」というと窓ガラスに水滴が付く様子を
思い浮かべる方が多いかもしれませんが、
本当に怖いのは、「内部結露」です。
専門的な話になりますが、できるだけわかりやすい言葉で
簡単に説明していきたいと思います。


「内部結露」とは、冬場、室内で暖められ湿った空気が、
壁材(プラスターボードなど)を通して、壁内に侵入し、
外気によって冷やされ、壁の内部で結露を起こすという現象です。


よく外壁側に「構造用合板」を貼ることがありますが、
構造用合板は湿気を通さないので、その内側で内部結露するケースが
よく見受けられます。


その結果、断熱材(グラスウールなど)の劣化や構造材の腐朽など
居住性、耐久性に重大な問題を引き起こすことがあります。


ある実験によると、ひと冬の間に、プラスターボード1㎡あたり、
1/3リットルの水分が壁内に侵入するそうです。
実際には、施工上の隙間などから、それ以上の水分が浸入しているものと
思われます。


では、「内部結露」を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?
方法は、大きく分けて二つあります。


一つは壁内に侵入した湿気を早期に排出することです。
つまり、外壁材の下に空気が通る隙間を縦方向に設けて、
軒裏や棟などから湿気を排出する方法です。
(外壁通気工法)


もう一つは、室内の湿気を壁内に侵入させないように、
防湿気密フィルムを室内側に貼る方法です。
前述のように、外壁側に構造用合板を貼る場合は、
防湿層を設けることは必須となります。


以上のことを正しく施工すれば、内部結露は防げます。


しかし、残念ながら、これらのことが守られていない建物が
実際には数多く存在します。


その理由は、「見えないところにお金をかけない」という「売る側」の論理です。
完成した時には、隠れて見えない、怖〜い「内部結露」の話でした。



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