建物が竣工して、無事、お施主さんに引渡しを行なう日は、
何度、経験しても心から幸せな気持ちになり、
そしてちょっぴり寂しい気分になります。
嬉しそうなご家族の笑顔を見ていると、
やっぱり、この仕事をしていて良かったなぁと、
つくづく想い、癒されるものです。
しかし、引渡しの儀式(?)を終え、しばらく雑談の後、
「では、この辺で。」と席を立ち、玄関先で、
「お世話になりました。」と言った途端、毎回、
急にとてつもない寂しさに襲われるのです。
まるで、娘を嫁に出すような気分。
こんなことを言うと大げさに聞こえて、
恥ずかしいかなと思っていたのですが、
先週、読んだ中村好文(建築家)さんの本にも
同じようなことが書いてありました。
「愛情込めて育てた娘を嫁に出す父親の気持ち」
そして、最後に家に向かって、こう言うそうです。
「なるんだよ。しあわせに。」
これからも、棲みごごちを愉しめるような「幸せな家」が
増えていきますように。
入居後、しばらくして、
「家に帰るのが楽しみになりました。」
「暮らしていても新しい発見があって楽しいです。」
などと便りが届くと、
また大きな幸せな気分に浸り、
ひとりニヤニヤしております。(笑)