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間取りのお話「無駄とゆとりは、紙一重」

敷地面積24坪、建ぺい率50%、容積率100%、ワンフロア12坪しか建てられない我が家。こういう条件の家は、1畳、半畳でも無駄にすることなく、効率的にプランニングすることが設計のセオリーです。

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でも、我が家は、あえて1畳分を無駄にプランニングした場所があります。階段を上がった2階の小さな2畳分のホールです。通過動線の場所なので、プランニングによっては1畳で済ますこともできる空間ですが、この場所はプランニングの初期の段階から2畳を確保する前提で設計しました。無駄ではなく、ゆとりとして考えた空間だからです。

プランニングにおいて、無駄とゆとりは、紙一重なのですが、この場所は、リビングへの入り口であると共に、階段、洗面所、バルコニーを動線的に繋ぐハブのような空間です。さらに、大きな窓から光が降り注ぎ、風が通り抜ける気持ちの良い場所にもなっています。工事中は、職人さん達が自然とこの場所で休憩を取っていました。(参考記事:職人さんが休憩する場所 ←下の写真と同じアングルです。)

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単なる通過動線ではなく、リビングへ入る前室として、この気持ちのよい場所は機能しています。空間のイメージとしては、カフェへの入り口のような雰囲気になればいいなと思って設計しました。照明器具は、ここだけ、ちょっと贅沢にフランク・ロイド・ライトのロビー邸のブラケットを使用しています。

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この1畳分の無駄が、日常生活の中にゆとりをもたらしていることは、家族も実感しています。・・・と言いたいところですが、ほとんどの人は意識せず、無意識に通り過ぎてしまうような空間です。でも、この無意識の心地良さを設計することが、住宅設計の奥深さ、面白さと思っています。

「よくわからないけど、心地いい。なんでだろう?」という設計を目指しています。

 

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www.yusei-arch.com

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