消費税アップが来年の4月にせまり、住宅業界も、
駆け込み需要が増えてきたようです。
2000万円の住宅の場合、
消費税が3%アップすれば、60万円の負担増となります。
当然、今のうちにと思うことでしょう。
しかし、冷静に社会情勢を見てみると、
本当に増税前に家づくりを行なうことが得策かどうかは、
微妙な情勢になってきました。
特に「家を買うのではなくつくりたい」と思っている人にとっては、
以下の項目についてご理解された上で、慎重に検討されることをお奨めします。
1 住宅ローン減税
消費税の増税前と増税後で、控除額が異なります。
つまり、増税後の方が優遇されます。
(最大控除額の差は200万円)
詳しくは、こちらの関連記事をご覧ください。
2 住宅給付金の支給
政府・与党は6月26日、来年4月から予定される消費税率の段階的な引き上げに向け、
住宅ローンを組んだ人の負担を軽くするために給付金制度を導入すると発表しました。
それによりますと、年収などの条件はありますが、
税率が8%になる来年4月以降に入居した場合には、10万〜30万円を支給、
税率が10%になる2015年10月以降に入居した場合では、10万〜50万円を支給する
とされています。
実施が確定した話ではありませんが、何かしらの支援を国が行なう模様です。
3 建設物価の上昇
合板や鉄筋、断熱材などの資材は、需要が多くなれば、当然、物価が上昇します。
すでに、駆け込み需要で、住宅の工事費は上昇傾向にあるようです。
今後、増税前に向け、さらに上昇することが予想されます。
かつて、家電のエコポイント制度が行なわれた時は、家電の需要が一時的に高まり、
家電製品の価格も上昇したのですが、エコポイント制度が終了した途端、
家電製品の価格は下落し続けました。
もちろん、今回、同じように、増税後、建設物価が下落に転じるかどうかは、
その他の社会情勢にもよるので何ともいえませんが、その可能性は十分あるように思えます。
お金の損得だけで考えると、ここまでの内容で、
増税前が得なのか、増税後が得なのかは、微妙な問題というのが
おわかり頂けたのではないでしょうか?
次に、建物の品質に関わる問題です。
4 良質な工務店・職人の不足
設計事務所が安心してお願いできる工務店というのは、やはり人気があります。
腕のいい良質な職人さんも、常に仕事があるそのような人気工務店に集まります。
当然、増税前は依頼が集中します。
よほど、前もって、特命で依頼しない限り、断られてしまうことでしょう。
そうなると、二番手、三番手の工務店を探すしかありません。
5 打ち合わせ期間や施工期間の不足
工事契約あるいは引渡し期限という制約の中で、無理なスケジュールを組んで、
家づくりに取り組むと、十分な設計打ち合わせを行なうことができず、
あぁすれば良かった、こうすれば良かったという家づくりになりかねません。
また、施工期間にシワ寄せが来ると、やはり質の低下を招く恐れがあります。
設計事務所との家づくりをお考えの方は、設計期間5〜6ヶ月、見積調整期間1ヶ月、
工事期間5〜6ヶ月、最低でも合計約1年という期間がかかるとお考えください。
後悔のない家づくりには、やはり時間も必要だと考えております。
今、ハウスメーカーの展示場などにいくと、
増税前の家づくりを奨められて、決断を煽られてしまうかもしれませんが、
一生に一度の家づくり、後悔のないよう冷静にご検討されることをお奨めいたします。
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