前回までの話で、白熱灯と蛍光灯の使い分けについて、
述べてきましたが、具体的に私が住宅を設計する時には、
以下のように使い分けています。
蛍光灯を使用するのは・・・
①キッチンの手元灯 ②洗面所の鏡上灯
③ウォークインクロゼット ④ロフト
①と②は作業性を求める場所なので、
③と④は熱がこもりやすい場所なので。
それ以外の場所は、全て白熱灯。
理由は今まで、述べてきた通りですが、
蛍光灯の暮らしに慣れてきたクライアントには、
なかなか理解してもらえないこともあります。
そういう場合は、粘り強く説明するしかないのですが、
住宅設計の第一人者と呼ばれていた故・宮脇壇さんの
文章に心強いことが書いてありました。
「蛍光灯の普及はきわめて日本的な現象である。日本の需要者たちは、メーカーによる使用電気量が少ないという惹句に引っ掛かって、一斉に蛍光灯を使うようになってしまった。(中略)けれども私は、蛍光灯はその性質上、作業用の照明であると思う。
家が帰ってきてくつろぐ場所であるとするなら、蛍光灯のついていた昼間の作業場から、また蛍光灯のついている室内では、くつろいだり頭の切り替えをしたりするのは不可能ではないか。だから私の事務所では、住宅には蛍光灯はいっさい使わないことになっている。
照明デザイナー・石井幹子さんに聞いてみたら、蛍光灯の方が安いというのは伝説だという。・・・」
私の場合、蛍光灯全面禁止というところまでは行きませんが、
できる限りクライアントのご理解を得て、白熱灯を多用し、
くつろげる住宅を設計して行きたいと思っております。
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