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残り5%の図面精度向上がもたらす現場効果

今月は実施設計の追い込みが続いています。スタッフともども、ひたすら図面を描く毎日です。

とはいえ、徹夜はしません。スタッフとして勤めていたころは、実施設計アップの2週間前となると、臨戦態勢で、毎日終電、最後は泊まり込みという日々が当たり前でした。それでも、本当にあと2週間で図面を描き終えることができるのだろうか?というプレッシャーで押しつぶされそうな毎日。おかげで、精神的にずいぶんと鍛えられましたが、結局、追い込まれて仕上げる図面はミスも多く、現場での変更を余技なくされ、混乱を招くこともしばしば。各方面に迷惑を掛けてしまっておりました。

その反省も踏まえ、独立してからは、締め切り2週間前には95%くらいの図面の完成度まで持っていくようにしています。残りの2週間で、残りの5%の図面の精度を上げていくことを心掛けています。

アトリエ橙では、残り5%の精度を上げるための図面チェックのルールがあります。

A オリジナルの図面チェックリストとの照合

(過去の現場での定例会議での質問事項、改善点などを踏まえ、随時更新)

B 設計打ち合わせの議事録項目を総チェック

(16~20回×30~40項目=平均600~800項目)

C 過去図面、施工図との照合によるチェック

(直近物件や規模が近い物件の図面を俯瞰して眺める、意外と気づきが多い)

他にも、細かいことは色々ありますが、時間を掛けて集中して仕上げていきます。

この最後の5%の精度がとても大事だと考えています。

図面の精度を上げることで、

・正確な工事見積書が作成され、無駄な費用が抑えられる。(曖昧な図面の場合、現場のリスクがあるので、高めの見積になる傾向)

・現場での変更がなく、職人さんのやる気をそぐことなく、スムーズに進む。(一度、造ったものをやり直すのは、職人さんに失礼)

・工務店との信頼関係が生まれ、金額、工期、施工精度の面で建て主さんに還元できる。(施主を含めた3者が幸せでないと、幸せな家づくりにはならない)

という効果があると実感しています。



最後の追い込み期間は、スタッフも私も大変ですが、竣工引き渡しの日の皆さんの笑顔を想像しながら、頑張っております。もう一息。


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