明智光秀(長谷川博己さん)「我が敵は本能寺にある。」
織田信長(染谷将太さん)「十兵衛か。であれば、是非もなし。」
昨日、放映された大河ドラマ「麒麟がくる」最終回は、悲しい友情の結末に切なくなる壮大な物語でした。
戦さのない平和な世を実現するため、戦さをしなければならないという矛盾。そして、そのことを実現するために、自ら主君の信長を討たなければならない光秀の深い葛藤。
迷いながらも、静かに覚悟を決めた光秀は、娘のたま、ガラシャ(芦田愛菜さん)に、「(細川)信忠殿と長く生きよ。その為に戦ってみせる」と告げる。のちに数奇の運命をたどることになる娘ガラシャのことを思うと、何とも言えず、胸が苦しくなる場面でした。
さらに、たまの義父、細川藤孝(眞島秀和さん)と羽柴秀吉(佐々木蔵之介さん)の密談も、秀吉の中国大返しを納得させる伏線となる重要な場面となりました。
いざ、本能寺。門前で形勢有利ながらも辛そうな表情の光秀。対象的に追い込まれながらも穏やかな表情に戻っていく信長。最後まで、二人の友情は存在していたという描き方は、これまでにない見事な本能寺の変の描き方だったと思います。
本能寺の変の後の出来事は描かず、「天海説」を思わせるような終わり方でした。麒麟がくるというタイトルにふさわしい希望を残す最後もとても良かったと思います。一年間、楽しませて頂きました。ありがとうございました。
ものごとを逆の立場でみることで、見える景色も価値観も大きく変わることを改めて知ることができました。