消化しきれないモヤモヤ感が残ってしまった。感動するストーリーではなく、心をザラつかせるストーリーと言えるかもしれない。
象徴的なのは、安藤サクラさんが取り調べを受けるシーン。(評判どおり、圧巻の演技力!)
誘拐ではなく、誰かが捨てたものを拾ったんです。
家族の絆を訴えるものの、噛み合わない会話、刑事に突き付けられる世の中の正論。そして、その正論によって引き裂かれていく家族の絆。
万引き、不正受給、誘拐、死体遺棄。
主人公たちに感情移入しながらも、リアルな現実の社会でニュース画面を通してこの家族を知れば、自分もきっと警察と同じ視点を持ち、あの家族の心情に寄り添うことは出来ないのだろうと思う。
スクリーンの中だけで、彼らに同情したり、理解している振りをしているうわべだけの自分に気づかされる。
主人公たちに共感しきれないモヤモヤ感、後味の悪さが残る。
しかし、考えれみれば、是枝監督の作品は、いつも答えを示さず、観客に答えを委ねて、モヤモヤ感を残す映画。そういう意味ではまた、監督の術中にはまり、この映画を楽しめたのだと思う。
観終わった直後より、日を置いて、反芻してようやく消化できる映画。
#カンヌ国際映画祭パルムドール賞 #是枝裕和 #安藤サクラ #リリーフランキー #松岡茉優 #樹木希林
一級建築士事務所アトリエ橙
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