自転車を借りて、雄大な最上川にかかる出羽大橋を渡り、いよいよ今回の目的地・土門拳記念館へ。
設計者の谷口吉生氏は、そのコンセプトを「外観は、風土と深く関わることにより、この地に記念館が建てられたことの意義を人々が読み取れるものとし、室内は、簡潔な意匠を背景として、作品の印象だけが強められる設計を意図した」と語っています。
美しいです。どこから見ても美しいです。20年前、図面をトレースして模型を作成した時の感動がよみがえりました。来て良かったぁ。
土門拳記念館の魅力は、ゆるやかな連続性を保ちながら劇的に変化する動線計画にあると感じていますが、その中心的な役割を担うのが、この中庭です。その中庭の絶妙な位置に佇む彫刻「土門さん」。イサムノグチ氏による作品です。
展示室から記念室に向かうギャラリー。中庭に面するスリット窓の幅が少しづつ広くなっていきます。まるで、カメラの絞りを調整していくようです。
【土門拳記念館】
所在地 山形県酒田市
設計 谷口吉生
1983 竣工
1983 吉田五十八賞
1987 芸術院賞