家は買うものではなく創るものですBLOG

デザインのある暮らし 無理のない暮らし 自分らしい暮らし

内断熱(充填断熱)と外断熱の比較

にほんブログ村 住まいブログ 住宅設計・住宅建築家へ (click!)
(1日1回クリックして頂けると嬉しいです。)



木造住宅においては、内断熱(充填断熱)と外断熱(外張断熱)の断熱性の優劣は、実はありません。どちらの断熱方法を選択する場合でも、熱抵抗値の確保と内部結露の防止策をきちんと行なえば、断熱性の高い住宅を造ることができると考えております。


ここでは、内断熱と外断熱のそれぞれのメリット、デメリット。また、コストの比較について、検討していきたいと思っています。ご検討の際の参考になれば幸いです。



■内断熱 


【メリット】
経済性に優れている。
ほとんどの断熱材が使用できる。
外装材の制約がほとんどない。
外断熱に比べて家内部の容積が小さいので、容積の観点では冷暖房効率がよい。


【デメリット】
室内側防湿層・外壁側通気層を設けないと内部結露が起きるおそれがある。
気密工事の施工性に注意が必要。


■外断熱


【メリット】
断熱層が柱で区切られないので欠損がなく熱損失が少ない。
気密をとりやすく施工しやすい。
柱などの木材が腐る恐れが少ない。


【デメリット】
工務店によっては対応できない場合もある。
コスト高になる。
外装材に制約がある(重量が重い物は使えないこともある)。
北海道などの寒冷地では有効だが、東京近郊では過剰装備とも言われている。



■コストの比較


【材料】
断熱材のコストは輸送費による
グラスウール<ロックウール<硬質ウレタンファーム<押出し法ポリスチレンフォーム
(同一熱抵抗値の比較)


【基礎】
床下断熱と基礎断熱では、基礎断熱の方が施工面積が少ないため、思いのほか、安い。
ただし、シロアリ対策が必要。


【屋根】
天井断熱と屋根断熱では、屋根断熱の方がかなり高い。
20坪で比較すると、天井断熱6万円 屋根断熱45万円。


【壁】
壁の内断熱と外断熱は施工面積は同じのため、材料単価の高い外断熱の方が高くなる
壁面積200㎡で比較すると、内断熱30万円 外断熱50万円。


【施工費】
施工手間は、工務店の慣れによる。
工務店によっては外断熱は経験が少なく割高となることも。



■結論


正しい施工方法であれば、内断熱、外断熱のどちらでもよいと言っても過言ではありません。地域性、経済性、構造種別などを総合的に判断し、選択することが大切と考えております。



設計事務所のHP